2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧
令和二年1月10日、世界の始まりを告げる夜明けの向こうに伯耆大山が見えた。この瞬間に出逢いたくて登山を続けている。新宿からのバスに揺られ13時間。米子駅から大山寺に向かう始発バスの中に山容はあった。独り鳥取の山にいる。そんな贅沢を噛み締めながら…
実家から車を走らせ1時間半。トンネルを抜けるとそこはトンネルだった。いくつもの山々を越え、眼前に大峰山、背中に大台ヶ原を望む山奥に大和最古の温泉がある。川上村、吉野川源流の森の中の秘湯。 奈良市がある北は「奈良」、我が故郷・桜井市や橿原市が…
「どんな山でもいい。とにかく山へ行け。山で過ごした時間は嘘をつかない」 2015年に劒岳を登ったあと、花谷泰広さんから頂いた言葉。あれから4年たった令和元年、無我夢中で山を追いかけた。 山納めとなる62座目が丹沢の塔ノ岳。1000m以上の峰が63座も連な…
日本でいちばん小さい町・静岡県の西伊豆・松崎町にステキな温泉宿がある。その名も通称"長八の宿"、地元の人は正式名称の「山光荘(さんこうそう)」と呼ぶ。 駿河湾と富士山を一望できる伊豆松崎町の港にあり、もとは漁師の大網元が造った宿。1966年8月の…
山国である日本は、どの地域にも郷土を彩る山がある。北海道、岩手に次ぐ3位の面積を誇る福島にも名山が数多くあるが、真っ先に思い浮かぶのはあの山だろう。 令和元年10月5日(土)4時53分の始発で新宿駅へ。暑い。もう神無月なのに電車に乗る前から汗が滴…
ひとときの安らぎを求めて箱根に来る人は多い。温泉といえば奈良時代から続く箱根湯本温泉が本家だが、入ってみたら意外と普通だったということが多い。おすすめは、箱根湯本から一足伸ばし、箱根登山鉄道で強羅駅まで行ってもらいたい。 強羅(ごうら)は明…
">30歳まで関西人だった自分にとって、箱根駅伝は日本で最も退屈な正月行事だった。それが今や毎年、青山学院の応援に駆けつけているから、人間の好みほどいい加減なものはない。2019年5月23日。9時42分に乙女峠から金時山の頂上に立ち、箱根湯本までの尾根…
山を訪れる理由は十人十色。仙丈ケ岳は竹澤長衛との対話であり、深田久弥さんが南アルプスで一番好きという理由を確かめるためだった。仙丈ケ岳は、「仙丈岳」とも呼ばれる。山に「ケ」を付けるのは好きでないが、この山は例外。「センジョウガタケ」という…