温泉分析書
日本酒に「にごり酒」があるように、温泉にもにごり湯がある。 無色透明の湯は美しい。澄み切った湯に身を沈めると、清らかになった気がする。 だが、乳白色、茶褐色、エメラルドグリーン、コバルトブルー、黒。そうした色をまとった温泉に出会うと、話は変…
温泉好きにとって、意外とややこしい言葉がある。 炭酸泉。 響きはかわいい。しゅわしゅわ。ラムネ。泡。血行促進。ぬるいのにポカポカ。 しかし、実際に入ってみると、こう思うことがある。 「あれ?ぜんぜん泡がつかないんですけど」 浴槽の看板には、堂々…
温泉分析書を読めるようになると、温泉の見え方が変わる。 泉質、pH値、泉温、浸透圧。どれも大事だが、温泉好きならもうひとつ見逃してはいけない数字がある。 湧出量。読み方は「ゆうしゅつりょう」。ざっくり言えば、1分間にどれくらいの温泉が湧き出して…
温泉分析書を見ていると、こんな表記に出会うことがある。 カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉 弱アルカリ性・低張性・高温泉 前半の「カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉」は泉質。「弱アルカリ性」はpH値。「高温泉」は泉温。では、真ん中にひっそり座っ…
温泉分析書を見ていると、泉質、pH値、成分総計など、いかにも理科室っぽい言葉が並んでいる。その中で、温泉好きがつい見落としがちな数字がある。 泉温。 読み方は「せんおん」。温泉が湧き出したとき、または採取されたときの温度のことだ。「なんだ、た…
温泉分析書にひっそり書かれた「pH値」。一見ただの数字だが、実はその湯がピリッと攻める湯なのか、やさしく包む湯なのか、肌をツルツルにする湯なのかを見抜く重要サインである。 しかも、温泉好きがよく言う「美肌の湯」は、pH値だけでは決まらない。本当…
温泉分析書に出てくる「溶存物質量」。名前だけ見ると、理科の授業が始まりそうだが、怖がらなくていい。 これは簡単にいえば、温泉の中にどんな成分が、どれくらい溶けているかを示す数字。つまり、温泉版の栄養成分表である。 人間でいえば、たんぱく質、…