
山形県南東部、南陽市に位置する赤湯温泉。その歴史は深く、開湯から900年以上の時を刻んでいる。
名の由来は、1093年。源義綱の家臣がこの温泉で傷を癒した際、傷による出血で湯が真っ赤に染まったことから 「赤湯」 と呼ばれるようになった。開湯は弘法大師によるものと伝えられ、古くから人々に愛されてきた。
旅館大和屋(やまと屋)

赤湯温泉に佇む旅館大和屋(現在・やまと屋) は、創業300年以上の歴史を持つ老舗の湯宿。この宿が 「美術館の宿」 と称される理由は、館内にピカソやモネなど、名画の複製画が 300点以上も展示されているからだ。宿を囲む烏帽子山の景観があまり良くないことから、オーナーが外に出なくても楽しめる工夫として始めた。
美術に囲まれながら、静かに温泉を楽しむ贅沢な時間が流れている。
弥五郎の湯

やまと屋が誇る温泉、それが赤湯温泉をひいた 「弥五郎の湯」。300年以上の歴史を背負う天然の岩風呂で、日帰り入浴も可能。泉質は、アルカリ性硫黄泉。
源泉は森の山源泉(冬) と森の山二号源泉(夏)。泉質は塩化物泉と硫黄泉 のハイブリッド。塩化物泉は、福島・磐梯山の東山温泉と同じく湯冷めしにくい「温まりの湯」。硫黄泉は八甲田山の麓にある酸ヶ湯温泉と同じく独特の香りが特徴。やまと屋の湯は、どちらか一方が主張しすぎることなく、 調和のとれたやさしい泉質。心と体をじんわりと包み込むような温泉だ。
料理と日本酒「十四代」

やまと屋では、山形の豊かな自然が育んだ食材を使用した会席料理が食べられる。新鮮な山海の幸が出る。特に朝食は絶品。さらに凄いのは、夕食に山形が生んだ日本酒の最高峰・十四代を呑めること。
やまと屋では、 山形の自然が育んだ食材を使った会席料理を楽しめる。新鮮な山海の幸が並び、特に朝食は絶品。そして、この宿を特別なものにしているのは、夕食で「十四代」を飲めること。

山形県村山市の高木酒造(1615年創業) が造る日本酒の最高峰。その希少性から 「幻の日本酒」と称され、入手困難なことで知られている。
十四代の味わいを一言で表すなら 「フルーティー」。だが、その深度は他の日本酒とは一線を画す。口に含めば、まるで天国にいるかのような幸福感に包まれる。
「死ぬまでに一度は飲んでほしい」――そんな特別な一本だ。
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