
「秩父温泉 満願の湯」は、埼玉県の秩父・皆野町にある日帰り温泉施設。平成9年(1997年)の開業、「願いが満ちる」ことを意味する「満願」から名付けられた。

内湯と露天風呂があり、露天風呂からは眼下に流れる奥長瀞渓谷の清流と満願滝を望むことができる。四季折々の自然を感じながら入浴できる「満願の湯」は、他県からも多くの人が訪れる。また、内湯は少し熱め、露天風呂はぬるめの温度設定となっており、長時間の入浴にも適している 。

さらに凄いのが、水風呂までもが源泉100%掛け流し。気持ちよさは圧倒的な日本一。何時間でも浴していられる。入浴後の温泉メシも日本最高峰。

2025年5月21日。栗城史多さんの命日に埼玉の先輩と温泉で思い出話に花を咲かせた。先輩と一緒に走った北信州マラソンのタオルを持ってきたら、先輩も持ってきてた。これが雪山クライマーの戦友の絆。
露天風呂

満願の湯の自慢が渓流を眼下に全長15メートルの満願滝。ぬるめの湯で、景観を楽しみながら準備運動に最適。
良いワインの条件に「天・地・人」がある。天候、土壌、造り手。どれかが欠けても良いワインはできない。温泉も同じく、天(風土)、地(泉質)、人(接客)の三つが揃ってこそ、心から癒される温泉になる。
満願の湯は、秩父という自然豊かな土地に位置し、特に「天(風土)」の要素で他を圧倒する。街中の温泉にはない、自然そのものに抱かれる安心感がある。
美人の内湯

満願の湯の泉質を味わうには内風呂。pH9.3という全国でも屈指の高いアルカリ性を誇る。無色透明、無味無臭で、まろやかな湯ざわり。入浴中から肌がツルツルになり、湯上がりにはスベスベ感が持続する。最高クラスの“美人の湯”の泉質である。
そして長時間、浴していられる理由が景色。大きな窓ガラスから柔らかい光が降り注ぎ、湯面が鮮やかな緑に彩られる。「森林浴」という言葉があるが、本当に森林に浴している。光と湯と自然が一体となった幻想的な空間で、心と体の疲れがゆっくりと溶けていく。
日本一の水風呂

満願の湯が日本一を誇るのが水風呂。なんと源泉掛け流し100%。源泉掛け流しとは、浴槽に注がれた温泉を再利用しないもの。加水も加温もしないものを「100%源泉かけ流し」と呼ぶ。
満願の湯の水風呂はは、水温が25℃とジャストミート。おまけに、美人の内風呂と同じく、浸かっているだけでツルツルが実感できる。こんな水風呂は他にない。
足を水風呂につけた瞬間、純度の違いを実感できる。天然水でつくったカキ氷が嫌な匂いなく、頭がキンキンしないのと同じ。人工的な冷却水とは違い、純粋無垢な泉に浴している気分になる。『もののけ姫』の森の精霊になったように思えてくる。
理想的な入り方は、まず水風呂に入り、次にぬるめの露天、再び水風呂、次に内湯、そして仕上げにもう一度水風呂。冷→温(露天)→冷→温(内風呂)→冷の交互浴。
いきなり熱い湯に入ると血液がドロドロになり、温泉で得られる物理効果が半減してしまう。温泉ソムリエの間では、水風呂から始めて水風呂で終えるのが定番。
温泉メシ・日本一のカキ氷

「満願の湯」は、湯処としての魅力はもちろん、食の楽しみも日本最高峰。湯上がりには、館内の食事処「満彩」に立ち寄るのが、この温泉を堪能し尽くすための正解。
温泉のリラックス効果は、湯に浸かっている最中にピークがあると思われがちだが、実は本当のリラックスは入浴後15〜30分後に訪れる。このゴールデンタイムを慌ただしく帰宅準備に費やしてしまうのは、非常にもったいない。湯上がりのひとときこそ、「満彩」で体と心を落ち着けてほしい。

満願の湯の「満彩」は、椅子席と座敷席が60席の広々とした空間。大きな窓から差し込む森林と陽光の柔らかさに癒されながら、ほっこりできる。

「満彩」で絶対に食べてほしいのが、温泉水から作る名物「温泉カキ氷」。おすすめはイチゴ味。カキ氷というより、その繊細さは雪解け氷。口に入れた瞬間、ふわりと淡雪のように溶けていく。純粋で雑味のない氷の旨味が、口いっぱいに広がる。
普段はカキ氷を食べない登山の先輩も、「800円も払ってカキ氷なんて…と思っていたけれど、これは別物。感動した」と絶賛。頭がキンキンしない、心まで沁みる日本一のカキ氷がここにある。
「オロナミンC」と「ポカリスエット」をブレンドした定番ドリンク「オロポ」もおすすめ。最初は少し薄く感じるが、飲み進めるほどに、甘さと爽快感のバランスが絶妙に変化していく。湯上がりの体にやさしく染み渡るハイブリッドな一杯。
秩父温泉「満願の湯」の温泉分析書

- 泉質:単純硫黄泉・アルカリ性・冷鉱泉
- 泉温:18.3℃
- 浴槽:石、岩
- 種類:内湯、露天、水風呂
- pH値:9.3
- 湧出量:43リットル
- 湯の色:無色透明
- 成分総計:364mg
満願の湯の泉質は「単純硫黄泉」だが、硫黄の匂いはまったくない。「硫黄泉」とは、遊離硫化水素が2mg/kg以上含まれるものを指し、満願の湯の含有量は0.1mg以下。刺激が少なく、香りもないやさしい湯となっている。
成分総計も364mgと、1,000mg未満で非常にシンプル。その分、肌に不要な刺激や成分が少ない。
注目すべきは、炭酸イオンが28.2mg含まれている点。20mg/kgを超えると肌がツルツルする目安で、実際に入浴するとそのなめらかさを体感できる。保湿効果のある「メタけい酸」や「炭酸水素イオン」も含まれており、肌にやさしい成分がバランスよく含まれている。
秩父温泉「満願の湯」のデータ
- 魅力:日本一のツルツル水風呂と森林浴
- 開業:1997年
- 利用:日帰り○、宿泊×
- 場所:埼玉県秩父郡皆野町 皆野町下日野沢4000
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