
日本の源泉総数は2万7000以上。温泉施設も2900を超える。世界一の「温泉大国」「温泉天国」であるニッポンの中から、おすすめの温泉のランキングを選定。

温泉ソムリエの観点から、湯質や浴槽なども紹介する。これまで300を超える温泉に浴したなかで、本当に「名湯」と呼べるものだけを挙げている。どの温泉を訪れても素晴らしさを実感できる名湯ばかり。いかに日本の温泉が凄いかを堪能してほしい。
- 温泉ランキングの選定方法
- 日本おすすめの温泉ランキング
- 1位:草津温泉(大滝乃湯)
- 2位:万座温泉(万座高原ホテル)
- 3位:河津温泉(福田家)
- 4位:別府温泉(明礬温泉・泥湯)
- 5位:天狗温泉(浅間山荘)
- 6位:秩父川端温泉(梵の湯)
- 7位:鎌倉温泉(稲村ヶ崎温泉)
- 8位:下呂温泉(ひだ山荘)
- 9位:水上温泉(松乃井)
- 10位:底倉温泉(つたや旅館)
- 11位:伊香保温泉(石段の湯)
- 12位:高尾山温泉(極楽湯)
- 13位:灘温泉(水道筋店)
- 14位:松江しんじ湖温泉(松江ニューアーバンホテル)
- 15位:秩父温泉(満願の湯)
- 16位:戸田温泉(彩香の湯)
- 17位:強羅温泉(太陽山荘)
- 18位:庭の湯(豊島園)
- 19位:増富ラジウム温泉(不楼閣)
- 20位:鶴巻温泉(弘法の里湯)
- 21位:清武温泉(クアフォーレ清武)
- 22位:東山温泉(新滝)
- 23位:大手町温泉(大手町)
- もう一度リピートしたい温泉
- 海外おすすめの温泉
- 一度は行きたい憧れの温泉ランキング
- 温泉の楽しみをバズらせる裏技
温泉ランキングの選定方法

ランキングは「草津温泉」「箱根温泉」など、温泉郷の順位。ひとつの湯宿だけでなく、湯めぐりをして真価を味わえる温泉もある。
温泉街の情緒や、湯宿の素晴らしさ(料理や接客など)はランキングに加味していない。あくまで温泉(湯や浴槽など)の良さだけ。
日本おすすめの温泉ランキング
1位:草津温泉(大滝乃湯)

- 魅力:恋の病も治る湯力
- 泉質:酸性・含硫黄・アルミニウム-硫酸塩-塩化物塩(硫化水素型)
- 浴槽:石風呂、岩風呂、檜
- 泉温:48.8℃(ぬる湯から熱湯まで)
- pH値:2.1
- 開業:1983年
- 利用:日帰り○、宿泊×
- 場所:群馬県吾妻郡草津町草津596−13
トップ・オブ・ザ・ワールドは草津温泉。当たり前すぎるが、1位から動かしようがない。湯都・上州(群馬県)にあり、酸性泉の湯力が圧倒的。硫黄の匂いが抱擁する温泉郷、温泉帝国を築いている。1つ紹介するなら「大滝乃湯」だが、泉質だけなら1位の「御座之湯」、大露天風呂の絶景が楽しめる「西の河原露天風呂」と、少なくとも草津三湯を周遊して欲しい。無料で入れる19の共同湯を巡れば交通費のみで草津温泉を堪能できるのも凄い。草津温泉に浴すれば、恋の病も治る!
草津三湯
草津温泉の共同浴場
草津温泉の魅力まとめ
2位:万座温泉(万座高原ホテル)

- 魅力:湯に溶けてしまいたい国宝の湯
- 泉質:酸性-含硫黄-ナトリウム・マグネシウム-硫酸塩-塩化物泉温泉(硫化水素型)
- 浴槽:石風呂、岩風呂
- 泉温:62.0℃
- pH値:2.1
- 開業:1957年
- 利用:日帰り○、宿泊○
- 場所:群馬県吾妻郡嬬恋村万座温泉
草津温泉とほぼ同率。施設だけなら「万座高原ホテル」が日本一。草津と同質の湯に加え、あらゆる泉質がブレンドされた奥行きのある泉質。硫黄も酸性も日本トップクラスの含有量でクセの強さが別格。このまま湯に溶けてしまいたい。草津の賑やかさ、温泉文化の湯情と反対に、観光場所もなく、静かな自然の大パノラマを堪能できる。重要文化財を超えて国宝の湯。
3位:河津温泉(福田家)

- 魅力:伊豆の踊り子を魅了した榧の浴槽
- 泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
- 浴槽:榧(かや)
- 泉温:53.6℃
- pH値:8.4
- 開業:明治12年(1879年)
- 利用:日帰り×、宿泊○
- 場所:静岡県賀茂郡河津町湯ケ野236
3位は伊豆半島の河津温泉に佇む「福田家」。川端康成の『伊豆の踊り子』に登場する湯宿で、吉永小百合や山口百恵なども湯につかった。泉質は保湿が良く、傷にも効く硫酸塩泉。浴槽は榧(かや)の木。100年以上も持つ長寿の木で、歴史と優しさに抱擁される夢見心地。大女優たちを魅了した湯の妖精が語りかけるフェアリーテールの温泉。1ヶ月半のヒマラヤ生活から帰国したあと浴し、温泉の沼にハマるきっかけとなった。
4位:別府温泉(明礬温泉・泥湯)

画像引用:たびらい
- 魅力:ブルゴーニュの特級畑の泥湯
- 泉質:酸性明緑礬泉-硫黄泉
- 浴槽:岩(露天風呂)
- 泉温:測定せず
- pH値:2.45
- 開業:1973年
- 利用:日帰り○、宿泊○
- 場所:大分県別府市明礬5
西の横綱・別府温泉。広大な温泉郷の王者が、明礬温泉・紺屋地獄。名前からして只者ではない。内湯(コロイド湯)、蒸し湯も素晴らしく、何より日本一の泥湯。いや、世界一。泥湯のエヴェレスト。 硫黄泉(硫化水素型)の泉質は、泥なのにフランスのブルゴーニュ特級畑に浸かっているような、日本のロマネ・コンティになった気分。かぐわしき大地。あまりに泥湯に何度も入りすぎて、帰ってから1週間近く硫黄(硫化水素ガス)の匂いがとれなかった。
5位:天狗温泉(浅間山荘)

- 魅力:赤く染まる鉄球の湯
- 泉質:単純鉄冷鉱泉
- 浴槽:石(内湯のみ)
- 泉温:8.4℃
- pH値:5.9
- 開業:1995年
- 利用:日帰り○、宿泊○
- 場所:長野県小諸市甲 又4766−2
長野県の浅間山の麓にある「天狗温泉」。陶器を作れるほど鉄の含有量が多い赤褐色の湯は、赤ワインのピノ・ノワールのような雅趣がある。ホットワインに浸かっている心地、疲れがどんどん湯に溶けていく。温泉は人生を生まれ直す産湯だが、白紙に戻す必要はない。Paint it Red。過去も未来も赤く染めてしまえ。実際、着てきた白シャツが赤く染まった。鉄球の衝撃を受ける湯。
6位:秩父川端温泉(梵の湯)

- 魅力:関東一の重曹泉、悪魔的つるつる
- 泉質:ナトリウム・塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉
- 浴槽:石(内湯)
- 泉温:16.1℃
- pH値:8.5
- 開業:2007年
- 利用:日帰り○、宿泊×
- 場所:埼玉県秩父市大字小柱字川端309-1
「梵の湯」は、秩父の大自然に囲まれた静寂の温泉。pH値が高く、悪魔的なツルツルの湯。湯にフェザータッチしただけでツルツルすべすべが全身に走る。名湯・秘湯・奇湯は全国に数多くあれど、梵の湯は「魔湯」と呼称するのがふさわしい。迷わず浸かれ、浸かれば分かるさ。悪魔的なツルツルに取り憑かれる。
7位:鎌倉温泉(稲村ヶ崎温泉)

- 魅力:脳天ダンクの衝撃、ビフォア・サンセットの湯
- 泉質:ナトリウム-炭酸水素塩冷鉱泉
- 浴槽:石(水風呂、内湯、露天風呂)
- 泉温:20.8.℃
- pH値:8.3
- 開業:2005年1月
- 利用:日帰り○、宿泊×
- 場所:神奈川県鎌倉市稲村ガ崎1丁目16−13
映画『稲村ジェーン』の舞台、稲村ヶ崎の国道134号線、海岸通りにある海の湯。黒湯に降り注ぐ黄金の夕陽。オレンジロードの気持ちよさは、もはや暴力。桜木花道の脳天ダンクを食らったかのような衝撃を受ける。水風呂まで源泉掛け流しの黒湯で、心地よいトロみ。水風呂の気持ちよさも日本一。湘南の風が吹く海の湯のナンバーワン。
8位:下呂温泉(ひだ山荘)

- 魅力:絶世の美女の湯
- 泉質:アルカリ性単純温泉
- 浴槽:石(内湯)
- 泉温:55.6℃
- pH値:9.1
- 開業:1965年12月
- 利用:日帰り○、宿泊○
- 場所:岐阜県下呂市湯之島683-1
日本で最も美人の湯。美人になるのではなく、湯そのものが絶世の美女。一途に夫を愛する「お市の方」のような天下逸品の美湯。石鹸で身体を洗ったあとに浸かると絹よりもスベスベのシルキー肌になる。泉質だ効能だ騒ぎ立てるが、単純温泉 is Best。原点を見せてくれる「温泉ルネサンス」。美人薄命。湯当たりしやすく、長湯できないのが無念。だからこそ、また入りたくなる。何度でも逢瀬してしまう。
9位:水上温泉(松乃井)

- 魅力:谷川岳の雪解け水のような温泉と庭園
- 泉質:アルカリ性単純温泉
- 浴槽:石
- 泉温:41.5℃
- pH値:8.6
- 開業:1956年
- 利用:日帰り○、宿泊○
- 場所:群馬県利根郡みなかみ町湯原551
谷川岳の雪解けが湯になったような、純度の高い湯。それが水上温泉「松乃井」。四種の源泉と一万坪の庭園、そして露天風呂「火あかりの湯」がもたらす静けさは、山を降りた者の心を解きほぐす。成分控えめ、肌すべすべ。露天風呂に吹く谷川の風は、夏の熱を忘れさせるひとたび浸かれば、何度でも思い出す。温泉とは、風景の中に生きる記憶なのだ。
10位:底倉温泉(つたや旅館)

- 魅力:箱根の自然と伊豆青石の掛け算
- 泉質:ナトリウム-塩化物温泉
- 浴槽:伊豆青石
- 泉温:56.4℃
- pH値:7.8
- 開業:1842年(天保13年)以前
- 利用:日帰り×、宿泊○
- 場所:神奈川県足柄下郡箱根町底倉240−1
箱根七湯のひとつ「底倉温泉」で500年以上も続く名湯。戦国時代に豊臣秀吉が小田原攻めのときに温泉を掘らせ、将兵たちの疲れと傷を癒した。床から湯船まで全面に伊豆青石(いずあおいし)を使用。石材の中でも柔らかな材質で保温性に優れ、肌触りがよく、濡れると青味を増してマリンブルーに輝く。箱根の自然と全身を癒しで包み込む。
11位:伊香保温泉(石段の湯)

- 魅力:黄金の湯と温泉メシの癒しの沼
- 泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉
- 浴槽:石
- 泉温:42℃
- pH値:6.4
- 開業:昭和57年(1982年)
- 利用:日帰り○、宿泊×
- 場所:群馬県渋川市伊香保町伊香保36
万葉集に詠まれ、作家・田山花袋も愛した湯の町。365段の石段を中心に、古くから湯治文化が息づく温泉郷。茶褐色の「黄金の湯」は、鉄分豊富で肌にやさしく、芯まで温まる名湯。石段街を歩けば、おしゃれなカフェや甘味処まで、楽しみは尽きない。榛名山や赤城山などの名峰を眺望でき、静けさの中に凛とした歴史と温かさが流れている。伊香保は、日常からふっと離れたいときに訪れたい、やさしい湯の町だ。
12位:高尾山温泉(極楽湯)

- 魅力:エンドレス温泉天国
- 泉質:アルカリ性単純温泉
- 浴槽:石、岩、檜
- 泉温:26.2℃
- pH値:9.9
- 開業:2015年10月
- 利用:日帰り○、宿泊×
- 場所:東京都八王子市高尾町2229番7
高尾山温泉『極楽湯』は、登山帰りに直行できる駅直結の天然温泉。アクセスと癒しを兼ね備えた名湯である。泉質はアルカリ性単純温泉で、pH9.9の高いツルツル度を誇る。露天の炭酸風呂や檜風呂、日替わり湯など、全身を包み込む極楽感がある。温泉天国のエンドレス、デンプシーロールで、山の疲れを癒すだけでなく、再び登りたくなる力をくれる温泉。湯上がりにはソーダフロート、とろろ蕎麦も楽しめる。
13位:灘温泉(水道筋店)

- 魅力:真夏の果実な炭酸泉、シャンパーニュの湯
- 泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉
- 浴槽:石
- 泉温:35.0℃
- pH値:7.0
- 創業:1938年6月1日
- 利用:日帰り○、宿泊×
- 場所:兵庫県神戸市灘区水道筋1丁目26番地
灘温泉は、神戸の下町・灘にある老舗の天然炭酸泉。湯に浸かれば、絹のような気泡が全身を包み、「シャンパーニュの湯」と呼べる唯一無二の体感がある。泉温は35℃とぬるめで、真夏は源泉そのままの状態で提供されるため、季節と体に絶妙にフィットする。泉質は美肌効果の高い炭酸水素塩泉。小さな浴槽に高濃度の泡が充満し、ウィルキンソン炭酸の中にいるよう。癒しと遊び心を兼ね備えた名湯。
14位:松江しんじ湖温泉(松江ニューアーバンホテル)

- 魅力:宍道湖の湖岸深くから湧き出す熱
- 泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
- 浴槽:石
- 泉温:70.8℃
- pH値:8.3
- 開業:1984年
- 利用:日帰り○、宿泊○
- 場所: 島根県松江市西茶町40−1
松江しんじ湖温泉は、宍道湖の北側湖畔に湧く天然温泉。開湯は昭和46年(1971年)と歴史は浅いが、地下1250mから湧き出す約77度の湯は、高温良質で湯冷めしにくい。触感は、つるつる、スベスベ。山の湯とも、海の湯とも違う、湖畔の湯。宍道湖から吹く朝の潮風が頬を撫で、背中を爽やかにしてくれる。湯上がりは、大山乳業の白バラ牛乳とコーヒー牛乳でひと息。
15位:秩父温泉(満願の湯)

- 魅力:日本一のツルツル水風呂と森林浴
- 泉質:単純硫黄泉・アルカリ性・冷鉱泉
- 浴槽:石、岩
- 泉温:18.3℃
- pH値:9.3
- 開業:1997年
- 利用:日帰り○、宿泊×
- 場所:埼玉県秩父郡皆野町 皆野町下日野沢4000
「秩父温泉 満願の湯」は、露天風呂から眼下に広がる奥長瀞渓谷の清流と、名瀑・満願滝を一望できる日帰り温泉。絶景を眺めながらの入浴は格別で、四季折々の自然が織りなす風景が、訪れる人々の心を癒してくれる。特筆すべきは、水風呂までが源泉100%掛け流しであること。加水も加温もせず、浴槽の湯を再利用しない純粋な湯。25℃前後という絶妙な水温が、体を冷やしながらも心地よく、何時間でも入っていられるほど気持ちいい。入浴後の食事も絶品で、温泉から食まで、すべてが“日本最高峰”と言える。
16位:戸田温泉(彩香の湯)

画像引用:戸田温泉 彩香の湯
- 魅力:幻想的な温泉の寝浴(浮遊浴)
- 泉質:含よう素-ナトリウム-塩化物温泉
- 浴槽:石(内湯)、岩(露天風呂)
- 泉温:39.8℃
- pH値:7.7
- 開業:2005年
- 利用:日帰り○、宿泊×
- 場所:埼玉県戸田市氷川町1丁目1−23
新宿から電車で30分、戸田駅から徒歩15分にある天然温泉。しかも希少な泉質「含よう素泉」。地下1500mから湧出した源泉を掛け流した琥珀色の湯が幻想的な温寝浴(浮遊浴)。小雨が降る日でも湯けむりが空と一体化し、溝口健二『雨月物語』のような幻想的なホワイト・スモークに包まれる。
17位:強羅温泉(太陽山荘)

- 魅力:ブレイクダンス可能な乳白色の浮力
- 泉質:酸性-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉
- 浴槽:石(内湯)
- 泉温:59.2℃
- pH値:2.2
- 開業:1942年(昭和17年)
- 利用:日帰り○、宿泊○
- 場所:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-375
箱根から少し脚を伸ばす強羅温泉。箱根ブルーの乳白色の湯は、つからなくてもフェザータッチだけで気持ちいい名湯。塩分が多く、浮力がすごいので浴槽でブレイクダンスしてしまう凄さ。フラッシュダンスの湯と名付けたい。
18位:庭の湯(豊島園)

画像引用:庭の湯
- 魅力:都心の竜宮城、ハニートラップの湯
- 泉質:含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉
- 浴槽:石(内湯)
- 泉温:34.8℃
- pH値:7.5
- 開業:2003年(平成15年)6月28日
- 利用:日帰り○、宿泊×
- 場所:東京都練馬区向山三丁目25-1
都庁前から大江戸線で18分。豊島園にある天然温泉。ヨウ素を多く含む茶褐色の泉質は、歴代最強の湯あたり。浴槽から身を上げたらフラフラ。強烈な右フックを喰らい、ゴングに救われたボクサーのよう。しかし、この気持ちよさを東京、しかも都心のど真ん中で味わえる極楽。寝浴(浮遊浴)は病みつき必至。竜宮城。帰りたくない。帰れない。浦島太郎になってしまう。ハニートラップの湯。
19位:増富ラジウム温泉(不楼閣)

- 魅力:湯の流れに身を任せるテレサ・テンの湯
- 泉質:含放射能ーナトリウムー塩化物冷鉱泉
- 浴槽:石(内湯)
- 泉温:21.5℃
- pH値:5.9
- 開業:1913年
- 利用:日帰り○、宿泊○
- 場所:山梨県北杜市須玉町小尾6672
令和天皇が登山の際に宿泊した不楼閣は、地下40メートルから自然自噴する放射能泉。ほぼ水風呂の泉温、露天の川に身を委ねているかのような感覚。心地よい浮遊感が広がる。陽光が差し込むと、湯は黄金色に輝く。天の川か、はたまた三途の川か。浦島太郎が竜宮城へと運ばれる亀になった気分。
20位:鶴巻温泉(弘法の里湯)

画像引用:弘法の里湯
- 魅力:「永遠」につかりたいカルシウム
- 泉質:カルシウム・ナトリウムー塩化物泉
- 浴槽:石(内湯)
- 泉温:34.3℃
- pH値:8.5
- 開業:2001年10月
- 利用:日帰り○、宿泊×
- 場所:神奈川県秦野市鶴巻北3-1-2
世界一カルシウムを含む温泉。牛乳も顔負け。クライマーが登山帰りに集う鶴巻温泉。坂井泉水のような透明感のある湯。逢瀬を重ねるほど気持ちよさが増す。浮力もすごい。「揺れる湯、揺れる想い、体じゅう感じる」。ZARDの「永遠」の湯。ここまで体がポカポカする湯も珍しい。
21位:清武温泉(クアフォーレ清武)

- 魅力:コラーゲンの湯と呼びたい、ぬるぬる
- 泉質:ナトリウム - 炭酸水素塩泉
- 浴槽:石(内湯)
- 泉温:不明
- pH値:不明
- 開業:不明
- 利用:日帰り×(要相談)、宿泊○
- 場所:宮崎県宮崎市清武町今泉今泉丙1460-1
侍ジャパンの合宿で使うSOKKENスタジアムのそばにある湯宿。ジャイアンツ時代の松井秀喜がお忍びで通った。重曹泉の湯は日本の温泉では珍しい軟水、食塩鉱。湯が柔らかくヌルヌル。たっぷりのコラーゲンに包まれている感覚。侍ジャパンに泊まってほしい湯。
22位:東山温泉(新滝)
- 魅力:天然岩風呂【千年の湯】の産湯力
- 泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉
- 浴槽:岩風呂(内湯)
- 泉温:41.9
- pH値:7.8
- 開業:1931年(昭和6年)
- 利用:日帰り×、宿泊○
- 場所:福島県会津若松市東山町湯本川向222
東山温泉は、奈良時代の行基が発見した歴史ある湯。岩盤から温泉が湧き、江戸時代には会津藩の湯治場として栄えた。戊辰戦争のときに土方歳三が刀傷を癒した猿の湯が有名。会津の名峰・磐梯山に登った際にお世話になった東山温泉『新滝』は、全部で4種類の源泉かけ流しの温泉があり、【千年の湯】の肌触り、快楽指数が群を抜いている。
23位:大手町温泉(大手町)

- 魅力:大都会に湧く驚異の「強塩泉」
- 泉質:含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉
- 浴槽:岩風呂(内湯)
- 泉温:36.5℃
- pH値:7.3
- 開業:2016年5月
- 利用:日帰り○、宿泊×
- 場所:東京都千代田区大手町1丁目9−2 グランキューブB1F
日本の経済の中心地・大手町の駅直結にある「SPA大手町」。地下1500mから湧き出る源泉が自慢で、日本でも十本の指に入る「強塩泉」が温めてくれる。浴槽は石の内湯のみで、水風呂(20度前後)、ぬる湯(36度前後)、温泉(41度前後)の3種類。東京でも屈指の多さを誇る「よう化物イオン」にも驚異。源泉かけ流しだったら、とんでもない名湯になっていた。湯上がりは、目の前の「銀座 篝」で鶏白湯ラーメンとセットで。
もう一度リピートしたい温泉
酸ヶ湯温泉(青森)

青森県にある酸ヶ湯温泉。「千人風呂」として有名な名湯。しかし、混浴で初心者にはハードルが高い。八甲田山の登山の記憶が強すぎて、湯を愉しむ余裕がなかった。再挑戦してその魅力を再確認したい。宿のリンゴジュースが美味しかった。
らいちょう温泉・雷鳥荘(富山)

富山県の名峰・立山にある雷鳥荘。標高2450mの山の中にゴージャスな天然温泉がある奇跡。昔は苦労して登ったが、今ではロープウェイで行ける。客室数は53室、収容人数260名。ちょっとしたホテル。緊急事態宣言のなか訪れ、ピザと白ワインに感動して湯を覚えていない痛恨の体験。もう一度、訪れて泉質を見極めたい。
大滝温泉(山梨)

雁坂峠の帰りに立ち寄った湯。登山の思い出が強すぎて、蕎麦とソフトクリームしか覚えていない。秩父往還を果たしてリベンジしたい湯。
赤湯温泉(山形)

画像引用:やまと屋
山形県南陽市に位置する赤湯温泉。開湯から900年以上の歴史を持つ名湯。しかし、ここも吹雪く蔵王の記憶や、宿で飲んだ日本酒「十四代」の印象が強すぎて記憶なし。今度はゆっくり温泉を堪能したい。もちろん「十四代」はもう一度、飲む。
神岳温泉・豪円院湯(鳥取)

鳥取の名峰・伯耆大山の登山口にある日帰り温泉。地下1200mより汲み上げられた源泉は日本最大級の酸化還元水。「神の湯」と少々、大袈裟な名前で呼ばれる。コロナ前は390円だったが、今は790円と倍以上のインフレ。まだ温泉の成分を分析できないときに浴したので、もう一度、湯の気持ちよさを確かめたい。
熱海温泉(静岡)

徳川家康も愛した熱海温泉。かつての七湯の源泉は失われてしまったが、あたたかい海に抱かれる感覚を味わえる。ゆっくり宿泊し、410もある源泉を湯めぐりしたい。
湯河原温泉(神奈川)

『万葉集』にも登場する関東最古の湯が神奈川県の湯河原温泉。お隣が日本有数のリゾート・熱海ということもあってか、驚くほど静か。時間は流れているのに、歴史が止まったような静けさ。海に近い湯なのに、山奥にいるかのような感覚になる。いつかは奥湯河原の宿で一泊し、桜や新緑、紅葉の季節に、川の音を聞きながら湯と語らいたい。
海外おすすめの温泉
釜山:東莱温泉

草津温泉がなければ世界最高の温泉。アジア最強の湯である東莱温泉(トンネ・オンチョン)は韓国最古の温泉。男風呂だけで1500人が入浴できる広さ。露天風呂、洞窟湯、ヒノキ湯、青磁湯、漢方湯、黄土湯、海水湯、各種サウナ、ミニプールなど40種以上の浴槽がある。ひとつの施設で凍・冷・涼・温・暖・熱すべてを網羅。内風呂、露天、洞窟と景観も変化。遊泳できるプールや泡風呂、ビール風呂など遊び心あり。ここに棲みたくなる温泉。日本で温泉関係の仕事をしている人は研修で虚心庁(ホシムチョン)に来たほうがいい。
チベット:エヴェレストの泥湯

アクセス困難。チベットの標高4200m、ティンリ県にある泥の野湯。二度と入りたくない温泉ランキング1位。別府の泥湯と"魔"反対の正真正銘の泥。アナコンダに絡みつかれたように感じる恐怖。ナンダカンダ叫んでも、もう一度、入りたくなってきた。
一度は行きたい憧れの温泉ランキング

死ぬまでに行きたい日本の温泉
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北海道・登別温泉:北国の最強湯にして、水曜どうでしょうの聖地
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秋田・鶴の湯温泉(乳頭温泉):日本の秘湯の代表格
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群馬・四万温泉:群馬県民が日本一の湯と絶賛
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鳥取・三朝温泉:日本屈指のラジウム温泉
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愛媛・道後温泉:『古事記』に登場する日本最古の温泉
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佐賀・嬉野温泉:美肌の湯として有名
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大分・湯布院:九州を代表する温泉地
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別府・鉄輪温泉:強烈な含鉄泉
- 兵庫・有馬温泉:西の横綱と呼ばれる湯
- 和歌山・白浜温泉:日本三古泉のひとつ
- 三重・榊原温泉:清少納言が愛した湯
- 奈良・十津川温泉:大和最南端の秘湯
憧れの海外テルマエ・ロマエ
- 台湾・北投温泉:白硫黄泉、青硫黄泉、鉄硫黄泉の3種の泉質
- ドイツ・フリードリヒ浴場:ローマ式の入浴の歴史ある温泉
- ドイツ・カラカラ温泉:古代ローマの趣にあふれる温泉
- イタリア・サトゥルニア:階段状に流れ込むコバルトブルー
- イギリス・バース:2000年以上前にローマ人が築いた温泉
- ハンガリー・セーチェニ温泉:世界的なアミューズメント温泉
訪れたことがある方、「ここに行け!」という温泉がある方は、ぜひコメントで教えてください。また、ご自身の温泉ランキングがあれば、コメントお待ちしています。
温泉の楽しみをバズらせる裏技
温泉の泉質を知る
| 泉質 | 特徴 | 代表的な温泉 |
|---|---|---|
| 単純温泉 | 刺激が少なく優しい | 下呂温泉、由布院温泉 |
| 塩化物泉 | 「温まりの湯」 | 有馬温泉、登別温泉 |
| 炭酸水素塩泉 | 「美肌の湯」 | 乳頭温泉、白浜温泉 |
| 硫酸塩泉 | 傷の治癒に良い | 四万温泉、蔵王温泉 |
| 二酸化炭素泉 | 血行促進効果 | 十津川温泉 |
| 含鉄泉 | 鉄分を含み赤褐色の湯 | 鉄輪温泉 |
| 酸性泉 | 殺菌効果が高い | 草津温泉 |
| 含よう素泉 | 体質改善の湯 | 白子温泉 |
| 硫黄泉 | 特有の匂いと美肌効果 | 別府温泉、万座温泉 |
| 放射能泉 | 万病に効くとされる | 三朝温泉 |
温泉の泉質は十湯十色。2万8000を超える日本の温泉の中で泉質は全部で10種類あり、泉質を知っておくと温泉の愉しみがバズりまくる。泉質を制する者は温泉を制す。
泉質は10種類あるが、大きく分類すると3つに分かれる。
- 単純温泉:刺激が少なく身体に優しい
- 塩類泉:食塩を多く含み保温効果がある
- 特殊成分を含む療養泉:7種類のどれかの特殊成分を規定値以上含み癖が強い
単純温泉→塩類泉→特殊成分になるほど、温泉の個性がハッキリ現れ、同時に刺激も強くなる。まずは、この3つから自分に合う泉質を分類すると良い。
温泉の効果を知る
| 効果名 | 説明 |
|---|---|
| 温熱効果 |
温かさで血行が促進され、新陳代謝が高まる 疲労物質の排出を助け、免疫力を向上させる 温度によってリラックス効果や覚醒効果がある |
| 水圧効果 |
水圧が血液を循環し、むくみ改善やデトックス 内臓が適度に圧迫されマッサージ効果がある |
| 浮力効果 |
体重が軽減され、筋肉や関節の負担が減る 筋肉が緩みリラックス状態を生み出す |
| 転地効果 |
非日常の環境が五感を刺激し、ストレスを軽減 自律神経を整え、リフレッシュ効果が得られる |
温泉で得られる物理効果は主に4つ。知っておくと、入浴方法や入浴時間などが変わってくるので、さらに温泉が気持ち良くなる。
温泉の入浴方法を知る
温泉は、ただ浸かるだけではなく、泉温ごとの違いを理解し、適切な入浴法を実践することで最大限の効果を発揮する。
- 泉温別の適切な入浴時間を守る
- 全身浴・半身浴・寝浴を使い分ける
- タオルを使い、のぼせや立ちくらみを防ぐ
- 入浴前後に水分をしっかり補給
- 入浴後すぐに帰らずリラックス時間を取る
せっかく温泉に入るなら、その効果を最大限に活かしたい。正しい入浴方法を知り、最高の温泉体験を楽しもう。
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