横須賀温泉湯楽の里〜海街ダイアリーの湯 - 湯遊白書〜そこに温泉があるから

同じ神奈川県の海の湯・稲村ヶ崎温泉がサーファーの湯なら、横須賀温泉は海街ダイアリーの湯。地元の人が海を望みながら暮らし、その日々に温泉が寄り添う。無口で寡黙な人が多いが、優しく温かい。お世話になったスポニチの上司が横須賀の近くの出身だった。

横須賀温泉湯楽の里

横須賀温泉湯楽の里があるのは、「馬堀海岸（まぼりかいがん）駅」。意外といえば失礼だが、乗降客が多い。名前の由来は、江戸時代にこの地で馬の放牧が行われていたことにちなむ。

横須賀温泉湯楽の里

美しい海岸線（うみかぜの路）が広がる閑静な住宅街で、温暖な気候と開放的な景観が魅力。海沿いには遊歩道が整備され、ランニングや散歩を楽しむ人が多い。2キロ離れた先には「横須賀美術館」がある。

横須賀温泉湯楽の里

「横須賀温泉湯楽（ゆら）の里」は、2011年（平成23年）4月20日にオープンした日帰り温泉施設。2010年に地下1800メートルから湧出した天然温泉（含よう素-ナトリウム-塩化物強塩泉）。東京湾を一望できる露天風呂が魅力。
横須賀温泉湯楽の里

接客の物腰は日本随一に柔らかい。温泉施設の隣には、地場産野菜や土産品などを販売する「横須賀湯楽市場」もある。

水風呂

大型チェーンの天然温泉スパなので、浴槽の種類は充実。水風呂は広く、4、5人が同時に入れるのは嬉しい。

白湯

露天風呂は特徴ある泉質なので、普通の白湯を設けているのも、地元の人への配慮が感じられる。

高濃度炭酸泉には寝湯があり人気。頭を乗せる枕が少し硬く、長時間の浮遊浴は難しい。あえて、長湯させない意図があるかもしれない。

露天にも寝湯があるが、ほぼお湯なし。もっと湯量があれば、かなり長時間、寝ていられる。

横須賀温泉湯楽の里の目玉、絶景露天風呂。天気が良ければ富士山も見える。天然温泉加温・加水かけ流し。ロケーションを活かすべく、腰をかけて馬堀海岸と東京湾を一望できる。この配慮は素晴らしい。その分、ゆっくり大の字になって湯を楽しむスペースがないのが惜しいところ。展望も大事だが、もっと湯を全身で堪能する状況であれば、気持ちよさは変わった。浴槽の大切さを教えてくれる温泉。とはいえ、泉質といい、ロケーションといい、接客といい、素晴らしい湯であることには変わりない。